WHY社長塾
2021年10月26日

経営の「攻め」と「守り」

経営はいわば勝負事です。
ですから、スポーツ全般や囲碁将棋などにもなぞらえることが出来ると思います。

 

野球で考えてみましょうか。常勝チームの特徴はなんでしょうか。投手力、守備力の高さが絶対条件ではないでしょうか。
つまり「守り」ですね。

 

ところが、多くの社長、特に創業間もない社長の頭の中は「攻め」ばかりです。
「どうやればこの商品がより多く売れるか」「社員の営業力を高めるためにはコンサルが必要だ」「さらに人脈を増やすためにあの会合にも参加しよう」と枚挙に暇がありません。

 

この社長の気持ちは痛いほど良く分かります。
社長業とは恐怖と心配が原動力になるという側面があり、売り上げを上げるため皆さん本当によく頑張っておられます。

 

しかし、決算で法人税を1,000万円払うようなレベルまできて、「守り」を全く考えない社長が多くいます。これも気持ちは分かるんです。「やっとここまで来れたけど、いつダメになるか分からない。今のうちに先手を打とう」・・・よく分かります。

 

でも、社長たるもの「守り」をしっかり考えなきゃならない時期があるんです。その時期を一概にいうことは出来ませんが、先程の法人税1,000万円なんて遅すぎます。社長の業務が倍になっても「守り」を強化すべきです。

 

では、会社の「守り」とはなんでしょうか。
社長、今心の中で答えてください。

 

この・・・考えること・・・が大切です。

 

私の見解で3つに絞ります。
①決算方法
②法人の口座管理
③生命保険の入り方

 

私の観察では、会社を生かすも殺すもこの3つです。
この3つを教育する人がいなかったために、これまで倒産した会社の数は計り知れないと思います。

 

では、こんなことを知らずに社長になった人に誰が教育すればいいのでしょうか。
一般論でいうと顧問税理士です。顧問税理士と社長は物心ともに距離感が近く、該当者が他に見当たらないからです。

 

ところが、顧問税理士は上記の3つには触れません
え?①の決算方法にも?とお考えでしょうが、真実です。
簡単に言いましょう、決算方法には多くの種類がありますが、顧問税理士からそれらの選択を提示されたことがありますか?
つまり、社長、あなたは今の顧問税理士が問答無用で行っている一つの決算方法しか知らないのです。

 

ましてや、②③ともなると自らの守備範囲を広くするだけで何のメリットもないどころかデメリットが生じる可能性があるので、君子危うきに近寄らずを貫きます。

 

よくある保険営業マンの失敗話をしましょう。保険を社長に提案したらものすごく乗り気だったので、内心「これは行ける」と思った。しかし念のため社長が顧問税理士に打診したら「やめておいた方がいいですよ」と言われ、たったこの一言でご破算になったというケースです。法人保険をやっている方にとってはまさに「あるある」ですよね!
いろいろなケースがあるにせよ、根本的には顧問税理士がOKと言ってしまうと自分にも責任が生じると考えるからです。(法人保険を熟知している税理士はごく僅かです
まれには自分が担当する会社の決定すべて関わりたいという税理士さんもいますが、とにかく自分の仕事にとってマイナス要因は排除というわけです。(この税理士の在り方については別の記事で書きます)

 

余談ですが、以前私がある社長に保険の提案をしたところ、案の定社長が顧問税理士にその提案書を見せました。するとその時点で顧問税理士が同じ保険会社を取り扱っていたらしく、全く同じ内容で顧問税理士から加入したという結末でした。社長はこの時まで顧問税理士が生命保険を取り扱っていることを知らなかったそうです。(大同生命ではなかったので乗り合い代理店を持っていたと考えられます)この時は本当に心の底から笑ってしまいました。
第一に、私はこの保険が決算内容からして必ず必要だと思って提案したにもかかわらず、決算内容が誰よりも分かっている顧問税理士からは提案がなかったこと
第二に、法人保険をすべて整理整頓しアドバイスした私からではなく(保険が分かるなら顧問税理士がやるべき)、顧問税理士から加入したこと。まあ、もしかすると私に至らない点があったのかも知れませんが、この後も私の主催するセミナーに引き続き参加していいですかと悪びれもせず聞いてきたことを考えると、物事の道理がよく分からない人たちなんだと判断し、それ以来私から近寄ることはやめました。ちなみにこの社長は二代目でした。

 

もう一度、
①決算方法
②法人の口座管理
③生命保険の入り方
に戻りますと、それぞれが一記事で終わらないほどの量になると思いますので、恐らく何度かに分けながらお伝えすることになると思います。

 

最後までありがとうございました。

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